2011年6月20日月曜日

Sherehe (お祭り・お祝い)

いつもの事ながら、日が空いてしまい申し訳ありません。
元気でない(39度超えた)日もありましたが、今日は元気なのでブログを更新しようと思います。(今回はまとめて書くので長編です。悪しからず。)

タンザニアは6月後半に入りそろそろ梅雨が明けたんでしょうか、洗濯物を外に干そうか干すまいかと考える朝が少なくなってきました。
そして気候は過ごしやすくなり、夜11時現在の気温は26度、湿度70%と快適そのものです。 日中は陽射しのキツサを感じるものの夏場(11月~3月頃)と違い日陰に居れば涼しい風が通りとても過ごしやすいです。

そして少し時間は経ちましたが、長く伸びきっていた髪をばっさり切った事もあり汗をかく日が少なくなりました。そんな俺を近所の友達はこう呼びます。





「デッキブラシとし!?」と・・・。 「チナ(中国人)」よりはマシなんでしょうか・・・。

今日の御題
Sherehe 「お祭り・お祝い」
タンザニアでは5月末から6月と3つのお祭り(式典)に参加してきました。
今回行われたお祭りはタバコの日、環境の日、アフリカ子供の日です。

それぞれ、学校のグラウンドや町の広場に仮設テントを設営しイベントは行われました。

< タバコの日 >
ここタンザニアでは、タバコは安いものでは一箱20本で1500Tsh(約80円)程で買うことが出来ます。タンザニア人の月収を考えるとなかなかな金額ですが、俺の友達は喫煙者が多いような・・・。 私も喫煙経験があり、タンザニア産の安タバコを吸ってみましたがキツイ!クセがある! 数値は明記されておらず不明ではありますが、日本のセブン○ターよりもニコチン、タールなどの害は凄いのでは・・・。 (現在は全く吸っておりません!)
この日は保健課もテントを設営しAIV簡易検査など健康相談のブースを設けて挑みました。





タンザニア政府やWHOなどが提供してくれたポスターはタバコの害を細かく示しており16個の害を紹介していました。

髪が抜けますよ! 耳の聞こえが悪くなりますよ! 肺が痛んで機能が低下しますよ!
歯が悪くなりますよ! がん細胞が肺だけでなく体の色々な部分に発生しますよ!(以下省力。) といったもの。 

これらの害を証明する部分を無理やり合成した写真がポスターになっているんですが・・・
もはや人間とは認識できません!絵が酷過ぎてお見せすることは出来ません!

んが、しかし、今回のイベントの様子を少しだけ写真と合わせて説明したいと思います。

開会前のイベント会場は小学生だらけ、それもそのはず・・・
平日の小学校のグラウンドを使いイベントが行われたからです。
(常識はずれ!? ← コレは日本的感覚です。)
音楽はガンガンの大音量、たまにタバコの害を歌った歌が流されていたものの、ほとんどがイベントと何の関わりも無い今時の歌が流れておりました。汗
そして、主賓が1時間遅れで揃い、要約イベントが始まり・・・
トップバッターに出て来たこのグループ。





最初に出てきただけにいいグループなんだろうなぁと期待していると・・・。

「前、キクエテ大統領がバガモヨに来た時10月25日、大統領は私たち全員に蚊帳をくれると約束したがまだ貰ってない~♪ だから、私たちはみんなマラリアになってしまったぁ♪ 蚊帳をくれ~♪蚊帳をくれ~・・・♪」
こんな歌ありなんでしょうか!? 困惑気味の主賓席・・・。
こんな痛快なグループから始まったタバコの日のイベントはこの後は流れを取り戻し
→タバコの害を説明する為の演劇







→省庁の偉い人からのお言葉

→踊り 





→踊り





→省庁の偉い人からのお言葉

と延々と続く中、スケジュールに無理が出始め、司会者から「時間が無い為3分でスピーチをお願いします。」 と時間指定をする始末・・・。 が、しかし、みんな演説原稿を握り締めている為、誰一人としてこの指示に従う人はおらず、全員見事にオーバーし、最後の方には「30秒でお願いします。」 と・・・。
最後には、まだグループが踊りの最中に旗を片付け始め、イベント終了。 グダグダです・・・。





可哀相ですが、子供は踊りながら旗が片付けられる様を見ております。
そして、今日のイベントは5時間近く行われましたが、踊りや劇が大半(7~8割)でした・・・。


< 環境の日 >
こちらはトプトプと呼ばれる、我が家から比較的近い所に位置するグラウンドで行われました。
環境の日と言うことで、イベントを開催する前に県庁が雇っている掃除のグループがグラウンドやその周りを側溝や道路を掃除して回りイベントが始まり





やはりこちらも同じ様な展開・・・。
省庁の偉い人からの話の合間に踊りが入り、ダラケた空気を一掃している様にも見えました。





そんな中、子供たちは自由でイベントそっちのけで遊びまわっていました。









< アフリカ子供の日 >
今回参加したお祭りで一番印象的だった「子供の日」。
みなさんは子供の日と聞くと、鯉のぼりや兜を想像し、子供の成長や健康を願う華やかな日を想像しませんでしたか? 私はそうでした。
しかし、アフリカの子供の日はそれとは違っていました。

UNボランティアにせかされて遅れて参加したイベントでしたが、会場に到着して最初に目にしたのはフラフープで楽しそうに技を披露してくれる子供たち♪





子供の日だもんな~、子供は無邪気だな~、と思っていると。
次は、子供たち、学校毎による行進!?





それぞれ何かメッセージの書かれた布を持っての行進で、よくよく見ると。
「子供は道徳、社会と成長する。」「より良い教育を!」「子供に権利を!」など・・・
そんな内容ばかりで始めは ただただはてなマークでしたが、徐々に日本とアフリカの子供の日の主旨の違いが分かり始めました。
上記の言葉の通り、こちらでは教育を受けるチャンスは少ないです。

まず、教育現場
学校はあります。グラウンドもあります。
でもどれも整備されていません。

教室はあります。
でも机や椅子が足りていません。
酷いクラスでは机や椅子が一つもありません。
デコボコのコンクリートの床にゴザを敷いて全員床に座って授業を受けています。

給食(昼食)は多くの場合ありません。

先生は居ます。
でも先生の数は足りていません。
その為、タンザニアでもJICA隊員が理数科教師として何名か学校に配属されています。
先生が居てもモチベーションが低い為、授業の時間に先生が来ないこともあります。
子供が言うことをきかないと先生は木の枝で容赦なく何度も何度もお尻や背中をぶちます。 

制服の指定はあり、多くの生徒は制服を着て来ています。
でも、ほとんどの子供は薄汚れた破れたシャツ、セーター、ズボンを着ています。
靴を履いていない子供もいます。

トイレはありますが多くの学校の場合、30~50人に1個の割合でしか設置されておらず、人数に対して全く足りていません。
水道や水汲みポンプがあっても水が出ないことがほとんどです。

こんな状況でも、それでも学校に来られる子はまだ恵まれています。

家庭の事情で学校にさえ通えていない子供もいます。
制服を着て学校に通う子を横目に手押しポンプの水汲み場に並び、バケツにイッパイ水を入れ、小さな頭の上に乗せて悔しそうな表情を滲ませ小走りに家の方に消えていく子供もいます。

これがアフリカの子供の現実です。

日本的な感覚ではありえない事ばかりだと思います。
今は、どれも見慣れてしまいましたが、フと我に返り考える度に胸が締め付けられます。自分は何をしているんだ?と。何をするべきなのか?と。自分の無力さに・・・。

そんな現実を、子供から大人に訴えかける日、それが「アフリカの子供の日」。





それぞれの思いを歌にして表現したり、踊りで表現したり、ラップ調に表現したり、劇で表現したりと様々でした。





一番印象に残ったのはストリートチルドレンの生み出される様子を劇にして表現したもの。





一家四人、お父さん、お母さん、お姉ちゃん、弟。
何気ない日常がある日一変します。
お母さんが病気で突然亡くなってしまいます。
残されて泣きじゃくる子供とお父さん。





その後、子供たちは立ち直るものの、お父さんがお酒、タバコに手を出し、別の女性と関係を持ち徐々に子供たちから離れていきます。








お母さんに先立たれ、お父さんは新しい女性と関係を持ち、子供たちは見放され路頭に迷う様になります。








その劇を見る観客は、始めの頃は笑い声が漏れていたものの、段々と彼らの話の中に吸い込まれて真剣に見入っていました。





今回の劇では、お父さんと関係を持った女性が、彼が子持ちであることに気付き、一度は逆上しますが、子供たちと共に生活することを提案し一件落着となる物語。






ラップ調にテンポ良く、「ストリートチルドレン」について熱く叫び続けた彼らにも心を打たれました。皆真剣そのものです!
省庁の人間相手にガンくれてました・・・。本当に凄い迫力でした。汗





そんな中、正統派に可愛い踊りを披露してくれるグループに大人はめっぽう弱く
オヒネリの嵐!県庁の同僚も踊りながらオヒネリを渡す始末で
子供たちもその集まった金額にビックリ!!





踊りが終わると一枚残らず回収されましたが
これは子供たちの手元に行くのか、大人に持っていかれるのか・・・。






今回も色々と考えさせられる一ヶ月でした。

次の写真、中央の子供が持っている矢印が指すものは何か分かりますか?





まさかと思うかもしれませんが、これはサッカーボールです。
元々、こんな黒い球だった訳ではありません。 荒れ果てたグラウンドでサッカーをした結果、ボールの周りの白黒の皮が完全に取れてしまったものです。

これに関しては日本からの支援「世界の笑顔のためにプロジェクト」でサッカーボールを依頼しているので届き次第、彼らにプレゼントして回りたいと思います。震災の影響で少し遅れているようですがどうなるかな・・・。

そして先日、隊員総会、先輩隊員のクワヘリ(お別れ)パーティーが終わり、気がついてみると残り任期9ヶ月、300日を切った様です。本当に日が経つのが早すぎる・・・。

最後に癒し写真を!





猫の居るお店には無駄に通ってしまう俺・・・。

今日はこの辺りで。